証券口座の乗っ取り被害が相次いでいる
インターネットバンキングに関わる不正送金事犯は、令和7年(2026年)の発生件数が4,747件、被害総額は過去最悪となる約104億円に達しています。
フィッシングによる手口がこの被害の9割を占めているとされ、中でも本年度は証券口座の乗っ取りによる高額被害が相次いで報告されています。
なぜ証券口座が狙われるのか
証券口座には現金だけでなく株式などの資産が保管されているため、乗っ取りに成功した攻撃者にとっては大きな利益につながりやすいというねらいがあります。
フィッシングメールやショートメッセージを使い、金融機関を装った偽サイトへ誘導してIDやパスワードを入力させる手口が主流です。
巧妙化するフィッシングの手口
近年は生成AIを活用した自然な文章表現によって、個別最適化されたフィッシングメッセージが作られるようになっており、被害者が偽物と見抜きにくくなっている点が大きな脅威となっています。
本物と見分けのつかない偽サイトに誘導され、そこでIDやパスワードを入力してしまうと、不正アクセスにつながってしまいます。
今すぐできる対策
- パスワードは他人に絶対に教えない
- パスワードを他のサービスと使い回さない
- メールやSMS内のリンクは安易にクリックせず、公式アプリやブックマークからアクセスする
- 証券会社が提供する二段階認証・多要素認証を必ず設定する
- 身に覚えのないログイン通知やメールが届いた場合はすぐに証券会社に確認する
被害に気づいたときの対処法
不審な取引やログイン通知に気づいた場合は、速やかに証券会社のサポート窓口に連絡し、口座の凍結や状況確認を依頼することが重要です。
対応が早いほど被害の拡大を防げる可能性が高くなるため、少しでも違和感を覚えたらためらわずに問い合わせることをおすすめします。
家族や職場でも対策を共有しておく
証券口座を持つ本人だけでなく、家族全員でフィッシング詐欺の手口や対策を共有しておくことも被害防止につながります。
特に高齢の家族はフィッシングサイトと本物のサイトを見分けることが難しい場合があるため、日頃から不審なメールやメッセージが届いたときの相談先を決めておくと安心です。
職場でも同様に、金融機関や取引先を装った不審なメールについて情報共有する仕組みを作っておくと、組織全体でのリスクを減らすことができます。
生成AIによるフィッシングが見抜きにくい理由
従来のフィッシングメールは不自然な日本語表現や誤字脱字によって見抜けることも多くありましたが、生成AIの活用によって文章の自然さが格段に向上しています。
受信者の属性や取引履歴に合わせて内容が個別最適化されるケースもあり、これまでの「怪しい文面を見分ける」という対策だけでは不十分になりつつあります。
今後は文面の見た目だけでなく、リンク先のURLを直接確認する、公式アプリを経由してアクセスするといった行動面での対策がより重要になっていきます。
セキュリティソフトとの併用も検討する
フィッシングサイトへのアクセスを検知・警告してくれるセキュリティソフトを導入しておくことも、被害を未然に防ぐための有効な手段のひとつです。
パソコンだけでなくスマートフォンからも証券取引を行う機会が増えているため、モバイル対応のセキュリティ機能もあわせて確認しておくと安心です。
ソフトを導入したからといって油断せず、基本的な対策と組み合わせて多層的に備えることが大切です。
日頃からOSやアプリを最新の状態に保っておくことも、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐうえで欠かせない基本対策のひとつです。
| 項目 | 内容 |
| 不正送金の発生件数(令和7年) | 4,747件 |
| 被害総額(令和7年) | 約104億円(過去最悪) |
| 主な手口 | フィッシングが全体の約9割 |
| 近年の傾向 | 証券口座の乗っ取りによる高額被害が増加 |
よくある質問
Q. フィッシングメールかどうかを見分けるコツはありますか?
メール内のリンクを安易にクリックせず、公式アプリやブラウザのブックマークから直接アクセスする習慣をつけることが有効な対策のひとつです。
Q. 二段階認証を設定していれば安心ですか?
二段階認証は有効な対策のひとつですが、それだけで完全に安全というわけではありません。
パスワードの使い回しを避けるなど、複数の対策を組み合わせることが重要です。
Q. 不正利用に気づいたらまず何をすべきですか?
すぐに証券会社のサポート窓口に連絡し、口座の状況確認や凍結を依頼することが重要です。
対応が早いほど被害の拡大を防げる可能性が高まります。


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